企業を支える管理職のモチベーションを高めよう

第六回

管理職にとっての「レジリエンス」とは?

レジリエンス」とは元々工学や物理学の世界で使われてきた言葉です。物体は外部から力を加えられると変形します。その時に物体がその外部の力を吸収したり元の形に戻ろうとしたりする能力がレジリエンスです。

ちょうど竹が強風にさらされても折れることなくしなりそして元に戻るイメージです。それがやがて人に対しても用いられ始めました。今では人が「困難にぶつかってもそれに適応し回復する力」を指して使われるようになりました。

管理職がレジリエンスを高めるには?

管理職には日々の業務の中で上司から部下から取引先からなどさまざまなストレスを受けています。それに上手に適応していくのは簡単ではありません。人として考え方や反応をコントロールできるように取り組むことはレジリエンスを高める上で欠かせません。しかしストレスにいつも一人だけで対処しなければならないとすればどうでしょうか。きっと遅かれ早かれ限界に達して心が折れてしまうでしょう。


ここでA-More「管理職人材評価診断」のデータをご紹介します。以下の図1は本人のレジリエンスの値を周囲のサポートの値と比べています。

図1 無断転載禁止

周囲のサポートをより多く受けられればそれだけ本人のレジリエンスの値も高くなりやすいという関係があるということが分かります。また以下の図2は周囲のサポートの値を国籍及び性別ごとに表示しています。

図2 無断転載禁止

図2からは何が分かりますか。中国人日本人共に男性に比べて女性の方が周囲のサポートの値が高いことが分かります。もちろん男性・女性といっても個人差があります。人によって反応は様々ですが,一つの傾向として男性の方が問題を一人で抱え込みやすいのかもしれません。

管理職が周囲からのサポートを得るには?

自分がストレスを感じていても周囲はそれに気づいていないかもしれません。それで周囲のサポートを得られるように自分から働きかけるのはとても大切なことです。家族や友人,職場の上司や同僚などの周囲とのつながりを大事にしましょう。問題を一人で抱え込まず,意識して周囲にアドバイスを求めたり気持ちを聞いてもらったりしましょう。時には期待していたような反応でなくがっかりすることもあります。でもだからと言って閉じこもってしまうのは危険です。引き続き連絡を取りましょう。

次回予告

次回は問題解決特性についてご紹介します。