企業を支える管理職のモチベーションを高めよう

第七回

管理職にとっての「問題解決特性」とは?

「問題解決特性」とは「問題を解決するにあたっての取り組み方」を指します。これには,2種類の取り組み方があります。

1つ目は問題に対して複数の解決策の中からよりふさわしい解決策を実行する,という合理的な取り組み方です。

もう1つは、衝動的に解決を図る,あるいはそもそも問題解決になかなか取り組まない,といった非合理的な取り組み方です。

管理職に求められる問題解決特性とは?

上記の2つの取り組み方を比べれば合理的な取り組み方の方が良いのは明らかです。大きな責任が任される管理職であればなおのこと合理的に問題解決に取り組むことが求められます。

しかしいつも合理的な方法で問題解決しているかといえばなかなかそうと言い切れないのが現実です。

問題解決が求められる場面で感じるストレスやもともと持っているバイアスや自信のなさ,または周囲の人間関係などの影響を受けて,問題解決に役立たない、あるいは問題をより複雑にするような誤った解決策を採ってしまうことがあるのです。

管理職が合理的に問題解決に取り組むために必要なことは?

繰り返しにもなりますが,まずは自分の特性を知ることは役立ちます。特にA-More「管理職人材評価診断」のようなツールを使って自己評価と他者評価を比べることができるとより客観的に自分を見つめることができます。

ではもし仮に自分が衝動的に解決を図るタイプだと分かったとしたらどのように改善に向けて取り組めるでしょうか。これにはいくつかのステップがあります。

衝動的に解決を図るというのはよく言えば直観を重視しているともいえます。直観には直観の良さがあるものです。それでこれまでの自分の取り組み方をすべて否定する必要はありません。

それでも落ち着いて振り返ると,衝動的に解決を図ってうまくいかなかった苦い経験を思い起こすかもしれません。「あの時ああしていれば…」と思うことは誰にでもあります。そういう後悔を糧にしましょう。

そしてさらに分析します。なぜ衝動的になってしまうのか(原因),またどういう時にあるいはどういうシチュエーションで特に衝動的になってしまうのか(状況)ということを考えてみます。

その上で次に対策を考えます。例えば問題を先延ばしにしているので期限ぎりぎりになって衝動的に決定してしまうということであれば,原因そのものにアプローチして,問題に前もって計画的に取り組むよう努力できます。

またイライラしている時に特に衝動的になってしまうという傾向があるのであれば,状況にアプローチして,深呼吸するなりストレッチするなり,まずは気持ちを落ち着けることに取り組めます。

これまで意識してこなかったことに取り組んでみましょう。

次回予告

次回は人間関係構築特性についてご紹介します。