
企業を支える管理職のモチベーションを高めよう
組管理職にとっての理想の「リーダーシップ」とは?
「リーダーシップ」とは直訳すれば指導力や統率力と表現されますが、多くの場合、組織・集団をまとめ目標達成に向かって導いていく能力を指します。
このリーダーシップについては、特性・種類・機能などさまざまなリーダーシップ論が古くから研究されてきました。
それぞれの管理職によって異なるリーダーシップが求められるのはどうして?
理想のリーダーシップというと、自分が昔お世話になった上司や毎年さまざまな企業が発表している「理想の上司」ランキングの有名人などをイメージするかもしれません(ちなみに2023年度に一位に選ばれた男性上司は内村光良さんだそうです(明治安田生命保険調べ))。
自分がイメージする理想を目指して努力するのはもちろん間違っていません。しかし一つのリーダーシップ像・上司像ばかりを追求することには問題があります。
それはなぜでしょうか。

第一に、一人一人が持っている特性や能力は異なります。もし仮にある特定の誰かを理想の上司にしたとしても、あなたとその人には特性や能力の点でさまざまな違いがあります。
あなたがその人になれるわけではありません。またあなたにはその人にはない良さや持ち味があることでしょう。
第二に、自分のポジションや組織の状況、また世の中の動きなどによって求められるリーダーシップは大きく異なります。例えば、有名なリーダーシップ論の一つであるSL理論では、部下の成熟度(能力や意欲)に応じてリーダーシップの方法を変えていくことが提案されています。
また現代は「不確実性の時代」と言われます。時代の変化に合わせたリーダーシップが求められています。
理想のリーダーになるためには?
以上のことを考えると、理想のリーダーシップがその人その人その時その時その場その場で変わってくることになります。ではどうすれば理想の上司になれるでしょうか。
それは自分を知ること、相手を知ること、周囲を知ること、世の中を知ること、といえるでしょう。
これはちょうど「彼を知り己を知れば百戦殆からず(相手と自分の両方の状況をよく知った上で戦えば何度戦っても敗れることはない)」という孫子の兵法にも通じます。
A-Moreでは、「管理職人材評価診断」というサーベイツールをご用意しています。このツールを通して自分を知る、つまり自分の特性やスタイルなどを知ることができ、今後どんな分野でまたどのような方向性で努力すればよいかヒントが得られます。
次回
このシリーズの連載記事では、組織のリーダーとなる現代の管理職が理解しておくべき特性やスタイルについて「管理職人材評価診断」の内容紹介と合わせてご紹介します。
次回はワークモチベーションと働きがいを取り上げます。
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