企業を支える管理職のモチベーションを高めよう
管理職にとっての「攻撃性」とは?
「攻撃性」とは「他者を物理的または心理的に傷つける行動をとりやすくする特性」を指します。
日常の業務の中で管理職にもさまざまストレスがかかります。抱え込んだ怒りやイライラなどの負の感情を上手にコントロールしないと他者を傷つけてしまうことがあります。
管理職が攻撃性をコントロールするための最初のステップとは?
まずはA-More「管理職人材評価診断」の結果データの一部をご紹介します。以下の図1は参加者本人の攻撃性についての自己評価の値を元に全体を五つのグループに分類した結果です。
グラフの横軸は本人の短気な気質,縦軸は職場の敵対的な環境,そしてバブルの大きさは攻撃的な行為を表します。この図から何が分かるでしょうか。
まず本人の短気な気質と職場の敵対的な環境には相関関係があります。職場の雰囲気がギスギスしていたり溶け込めていないと普段から感じていたりするとストレスがたまりちょっとしたことでイライラしたりかっとなったりしやすくなります。しかしさらに興味深いのは,短気な気質・敵対的な環境と攻撃的な行為が必ずしもリンクしないという点です。
敵対的な環境だと感じていてイライラしていても何とか行動には至らないグループ(黄色のバブル:「ぐっとこらえる」グループ)もあれば,逆に職場の雰囲気も悪くなく本人も短気ではない,そういう状況で攻撃的な行動に出てしまうグループ(オレンジ色のバブル:「表現が過ぎる」グループ)もあることが分かります。
それでまとめると攻撃性をコントロールするための最初のステップとは,このコラムで繰り返し書いてきたことではありますが,やはり自分の特性を知ることだと言えます。
管理職が自分の特性に合わせて攻撃性をコントロールするには?
引き続き図1の分類されたグループについて考えてみましょう。五つのグループのうち赤色のバブル:「どれも高め」グループは,職場の雰囲気も悪く,それに合わせて本人もイライラしてしまい,それが言葉や行動に現れるというタイプです。
もしこのタイプなら,まずはあいさつをしたり積極的にコミュニケーションを取ったりして職場の雰囲気を変える努力ができます。もし職場の雰囲気が変わらなければ次は自分が影響を受けないように心がけましょう。
またすでに紹介したオレンジ色のバブル:「表現が過ぎる」グループは,「少しくらい厳しい言葉遣いでも許される」など「はっきり言わないと部下には伝わらない」などと考えて強く表現した結果として相手を傷つけてしまうというタイプです。もしこのタイプなら自分の言葉遣いや行動が相手にどう受け取られるかを表現する前に立ち止まって考えましょう。
次回予告
次回は部下への働きかけについてご紹介します。