
企業を支える管理職のモチベーションを高めよう
管理職にとっての「部下への働きかけ」とは?
やって見せ,言って聞かせて,させてみせ,ほめてやらねば,人は動かず。
話し合い,耳を傾け,承認し,任せてやらねば,人は育たず。
やっている,姿を感謝で見守って,信頼せねば,人は実らず。
これは連合艦隊司令長官であった山本五十六の言葉とされています。どの分野の組織にも通じる名言です。人を動かしまた将来を見据えて人を育て実らせるための、いろいろな関わり方や接し方があることが分かります。
次世代トレーニングは簡単ではありませんし時間もかかりますが,組織の発展には決して欠かせません。この面で管理職は日頃から多くの部下に接する機会があり,次世代トレーニングに関するキーパーソンといえます。
管理職が自分の部下への働きかけ方を知ると良いのはどうして?
A-More「管理職人材評価診断」では管理職の部下への関わり方をいくつか取り上げ自己評価と上司評価を比べることができます。
ここでA-More「管理職人材評価診断」の結果データの一部をご紹介します。
以下の図1ではモデル提示的な働きかけ(山本五十六の言葉で言えば「やって見せ」)について、図2では参加促進的な働きかけ(山本五十六の言葉で言えば「耳を傾け」)について自己評価(青色)と上司評価(赤色)を比べています。


二つの図から何が分かりますか。
モデル提示的な働きかけ(左図)については,管理職本人の自己評価は比較的高め(全員が3点以上と回答し,そのうち大多数は4点以上と回答)ですが上司からの評価とは若干の意識の差があることが分かります。
参加促進的な働きかけ(右図)については,意識の差はさらに大きくなっています。モデル提示的については若干の差が,参加促進的についてはかなり大きな差があることが分かります。
今回グラフではお見せしていませんが,統制指示的な働きかけ(山本五十六の言葉で言えば「言って聞かせて」)については逆に自己評価よりも上司評価の方が高くなっています。
管理職が自分としては部下を育てるために日頃から「やって見せ」たり「耳を傾け」たりしていると思っていても,実のところただ「言って聞かせて」いるだけに過ぎないということはよくあります。
次世代トレーニングのために組織としてできることは何?
さらに言えば,部下を育てたいとは思っていても管理職自身が日常の業務に追われて時間がとれなかったり,部下を育てるような働きかけをしていてもその時点での組織のニーズに合っていなかったり,ということも起こりえます。
それで管理職が自分の部下への働きかけにおけるスタイルやくせを知って改善に取り組むことは必要ですが,次世代トレーニングを管理職に丸投げするのではなく,組織として管理職をサポートする環境を整えることが大切です。
次回予告
次回はソーシャルスタイルについてご紹介します。
*記事内グラフの無断転載は固くお断りします。