企業を支える管理職のモチベーションを高めよう

第二回

管理職にとっての「ワークモチベーション」とは?

「ワークモチベーション」とは組織内の個人が目標に向かって精力的に行動し続ける意欲を指します。

A-Moreではこれまで長年にわたって「組織診断」などの組織サーベイツールを活用して組織としてのワークモチベーション向上に取り組んできました。

管理職にワークモチベーションが求められるのはどうして?

そこで分かったのは、上司との関係が組織のワークモチベーションに大きく影響しているということでした。上司である管理職が部門の中で部下にどう接しているか、どのようにリーダーシップを発揮しているか、は組織のワークモチベーションを高める上でとても大切な要素です。

しかし管理職個人のワークモチベーションが低ければ部下のワークモチベーションを高めるようなリーダーシップを発揮することはできません。

それで当たり前の点ですが、組織のワークモチベーションを高めるためにはまず管理職個人が高いワークモチベーションを保っていなければなりません。

管理職がワークモチベーションを高めるには?

管理職がこなす日々の業務は以前より増えより複雑になっています。

また管理職は会社トップと一般従業員との間で板挟みになったり、海外赴任者であれば日本本社と現地拠点との間で板挟みになったりします。管理職が高いワークモチベーションを保つのは簡単ではありません。どうすればいいのでしょうか。

「内発的働きがい」という概念が鍵になります。

これは「報酬が得られるから」また「罰せられるのが嫌だから」という外的な要因(外発的働きがい)ではなく「仕事そのものが好きだから」また「働くことが楽しいから」といった「内的な要因によって主体的また自発的に業務に取り組むこと」を指します。

この「内発的働きがい」があれば高いワークモチベーションを保つことができます。

ここで以下に「内発的働きがいとワークモチベーション」、また「外発的働きがいとワークモチベーション」の関係性を示したデータをご紹介します。

これはA-More「管理職人材評価診断」の結果データの一部をグラフにしたものですが、この「管理職人材評価診断」ではこれまで日系企業の海外拠点で働く管理職の育成を目的として東・東南アジアのさまざまな場所の管理職にご参加いただいています。

以下の図1ではワークモチベーションの値と「内発的働きがい」の値と比べ、図2ではワークモチベーションの値を「外発的働きがい」の値と比べています。二つの図を見比べると何が分かるでしょうか。

図1からは「内発的働きがい」が高ければワークモチベーションの値も高くなりやすいという関係があるということが分かります。

逆に、図2からは「外発的働きがい」の方はワークモチベーションに対してそれほど影響が強くないことが分かります。

次回

ではこの「内発的働きがい」をどうすれば高めることができるでしょうか。

この点については次回、職業観と合わせてご紹介します。